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2008年10月20日

ラムサール条約説明会に行って来ました。

ラムサール条約って知ってますか?

沖縄に住んでいる方なら聞いた事のある方は多いはず。那覇市内を流れる国場川の下流域に拡がる干潟、漫湖がこのラムサール条約に登録されていて、東アジアとオーストラリアを行き来する水鳥の中継地として世界的にも貴重な干潟。
ラムサール条約とは湿地の保護と利用管理を目的とした国際条約で、1971年、イランのカスピ海沿岸のラムサールで採択された事からラムサール条約と呼ばれている。
日本は1980年にラムサール条約に加入し、釧路湿原を最初に登録。以後、現在に至るまで(2006年5月現在)33箇所の湿地がラムサール条約に登録されています。

で、湿地というと干潟とか湿原とかっていうイメージがあって、実際、尾瀬や谷津干潟なんかもラムサール条約に登録されているからそういう所だけなのかと思いきや、ラムサール条約の対象となる湿地というのは水のある場所(wet Rand)が対象となり、あらゆる水に関係する場所を湿地と規定している
もちろん、海も含まれ(低潮時6m以浅の浅海域に限られる)慶良間諸島海域のサンゴ礁もラムサール条約に登録されているとは以外だった。

今回、何故久米島でラムサール条約の説明会が行われたかと言うと、キクザトサワヘビの生息地である久米島の渓流がラムサール条約に登録されるからだ。

ではキクザトサワヘビって?
何者なのか?
キクザトサワヘビというのは世界でも久米島の渓流にだけ生息する小型のヘビで、日本で唯一、淡水中で生活するヘビ。
近縁の仲間は中国や東アジアに生息しているのだが、いずれも標高の高い山中の渓流域に生息していて、極めて発見数の少ないヘビだという。
久米島では1956年に最初に発見され、新種のヘビとして学会に発表され、1965年に2個体目が発見。
その後20年ほど発見されなかった「幻のヘビ」だったらしい。
 今回は1982年にキクザトサワヘビ(当時はキクザトアオヘビと呼ばれていた)を調査、発見した県立博物館の当山さんのお話も聞くことが出来、改めてこのヘビが世界的に貴重なヘビだという事を理解出来た。

この貴重なキクザトサワヘビが生息する渓流域がラムサール条約に登録される事によりどのようなメリットが生まれるのか?
地元の人たちがどのような事をする事ができるのか?
と、言うのを説明していただいたのが、ラムサールセンターの副会長の武者さん。

例えばワシントン条約(SITES)に登録された動植物っていうのは保護され、商業目的での流通は特別な許可、もしくは養殖され証明書のあるもの以外は流通する事は出来なくなっている。
熱帯魚のアジアアロワナやオーストラリア肺魚(ネオケラトドゥス)がその1例。
では、ラムサール条約に登録されたら特別な許可が無い限り、その地域の開発や商業目的の利用が出来なくなるのでは?
と、オイラも最初は思っていたのだが、実際は全く違っていた。
ラムサール条約の基本原則として「保全と賢明な利用」というのが第3条1に掲げられている。
つまりは過剰な利用を避けつつ、湿原の恵みと機能を賢明に利用していこう。
という事なのだ。
登録されたからと言って新たな規制が掛かったりする事はないが、幸いな事に今回登録される地域(およそ225ha)は平成10年に環境省により種の保存法に基づき、「宇江城岳キクザトサワヘビ生息保護区」に指定された地区の中にあるので、環境大臣の許可が無い限り開発行為は出来ない地域にあるのだ。

ラムサール条約に登録されるとそれによってもたらされるメリットも当然あり、観光や物産への付加価値や地域振興も期待され、釧路湿原などはラムサール条約に登録された事により観光客が220万人訪れた年もあるそうだ。
ただ登録されたからと言って安心するのはまだ早い。
地元久米島の人間がこの条約に登録された事を理解し、「賢明な利用と保全」を行っていかなければならない。
地元が動かなければ何もならないのだ。
もちろんオイラも出来る事は協力して行きたいと思っています。
今回の説明会は非常に勉強になる説明会でした。







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この記事へのコメント
よくシーバスやりに行く干潟、ラムサール登録されてるけど、釣り禁止ではないよな‥
Posted by げーての会々長 at 2008年10月22日 07:35
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    コメント(1)